会社によくいるデレデレおじさんの正体
あなたの会社にも、まるで自分の子供でもおかしくないような若い女性から褒められたりおだてられたりして、デレデレに鼻の下を長くしているおじさんがいるだろうか。
場合によってはタメ口で話すことを許したり、男性社員とは明らかに待遇を変える事さえある。
私が働いていた会社にもそんなイタいおじさんが存在した。
若い男性社員には時には罵倒しながら厳しく当たり、女性社員にはこれでもかというほどにソフトに接する。
特に自分のことを誉めたり、懐いておだててくれる女性社員に対しては周囲が呆れるくらいのベタベタぶりだ。
今回は、そんなイタいおじさん達の中身を考えてみる。
加藤浩次に番組中に叱られた美人モデル
誰でも自己流の処世術は持っているものである。
それが悪いとは言うつもりもない。
海外暮らしが長いため、あまり日本の芸能界には知識がないのだが、モデルの江野沢愛美の何気ない発言が加藤浩次によってとがめられた。
SNSが楽しくないという江野沢の現状を加藤が分析し、アドバイスした後の江野沢と加藤浩次のやりとりを引用する。
「ふに落ちるというか。一生ついて行きたくなりました」
すると加藤は
『そういう発言はもうやめたほうがいい。"うそ"なんだから』
普通であればビジュアルの良い人気モデルに褒められたり、「ついて行きます」的なことを言われれば、気が大きくなってニヤけるものだ。
また、男性は一般的に自分の言ったアドバイスを持ち上げられることを好む。
ということをこのモデルは熟知していた、と思う。
彼女はおそらく、目上の男性に喜ばれるノウハウを今までの人生で学習してきたのだろう。
並の"おじさん"なら、それで懐柔できたはずだ。
でも、今回はそうはいかなかった。
この先輩としての言葉をきちんと受け止められるかどうかで、今後の彼女の人間としての成長は決まるかもしれない。
心の中で「このおやじ無理、うざい」と考えるか「自分が甘かった、反省しなくては」と考えるのとでは、結果は180度違ってくる。
映像を見ながら、僕としては彼女が加藤浩次に「一生ついて行きます」と言い放った直後にハハハと笑ったことと、その後「一生ついて行けるわけがない」ことを突っ込まれた事に泣き出したことが気になった。
本当の自分が考えていたことを指摘されたことが心に刺さったのなら良いが、本当の自分を見透かされたことへの涙であれば気が重い。
知名度もある事だし、できるならちゃちなお世辞を処世術にのし上がるのではなく、本当の自分を確立してほしいと思う。
おじさんを懐柔させるのは簡単
「尊敬してます!」
「さすがです!」
「○○さんが一番です」
「すっご〜い!」
「一生、付いて行きます」
すべて上司である"おじさん"や"おばさん"を懐柔するために若手が使うセリフだ。
言われた方は気分を良くして、自分のことを若手が尊重し立ててくれていると勘違いする。
女子トイレやラインでの仲間内での会話でボロクソにけなしまくられていることも知らずに…
でもこれは若手だけが悪いのでないと思う。
日本のイタいおじさん達の問題点
おだてられて勘違いし、有頂天に舞い上がるおじさんにも問題があるのだ。
ほぼ共通して、そうしたおじさん達はプライドがない。
家庭がうまく行かず、会社では上司から叱られ、これでもかというくらい傷ついているのだ。
そこに、親子ほど年の離れた年下の女性からのプライドをくすぐる甘い言葉。
そして始まる勘違い。
まるでそれは会社の中でキャバクラのやり取りが再現されているようだ。
若手の社員はどうすれば上司が喜び、操れるかを常に学習している。
実際には【自分の男としての中身が褒められているのではなく、会社内の自分の立場を利用しようとしている】だけなのに本人はいつまでも気付かない。
そんな簡単なことが見抜けないのだ。
大企業の中で神経をすり減らし、ズタボロになって働いているうちに感覚がマヒしてくるからだろう。
本人とおだてる女性社員はいいが、それに翻弄される周囲はたまったものではない。
社内キャバクラのような状態にしびれを切らしたところで解決はしないだろう。
昔はそうはいかず、若手が中堅や上司に媚びるようなコトを言おうものなら見抜かれてその場で叱られた。
現代はいろいろなものが壊れてきている。
前述の「ふに落ちる」の「ふ」とは腑、つまり内臓のことだ。
むかしは胃の腑などと言った。
若手の胃袋や心の底に届くほど、生きている言葉を発せられるおじさんがどれほどいる事だろう。
すべてのおじさん世代に、恥ずかしく二ヤケ顔をしていないか、改めて自己分析をしてほしいと思う。