国会議員と県知事
某国会議員の重鎮の発言が話題になっている
島根県知事に対しての、
「注意しなきゃいかんと思っている」という上から目線なコメントだ。
わずかな言葉だが、いわゆる重鎮と呼ばれる議員が年齢や経験年数が若い政治家をどう思っているのかが明け透けに見て取れるのではないだろうか。
注意すると聞いて思い浮かぶのは、まるで上司と部下の関係。
または、交通違反をしたドライバーに警察官が行なう注意もある。
同郷の先輩が後輩に対して善意のアドバイスをしようという受け止め方もできるが、せめてマスコミなどの前では相手の立場をもう少し配慮できないものだろうか。
仮に上下の関係が実在するのなら、知事は地元の国会議員の意向に従っていることになるし、県民もそう思うだろう。
誰が知事にしてやったと思っているんだ
今回とは全くの別件だがテレビドラマでよく目にする構図で、国会議員の後ろ盾を得て知事や市長などの首長になり、その後は操り人形のように口を挟まれるというものがある。なので、担げそうな神輿があればすり寄ってくる。
リアルの世界でも、これはありえなくはない。
長く政界にいて実力のある議員は、利権を手放さないために裏から他の政治家を操りたいのが本音だろう。
それが可能になれば、実質【国会議員】の権力と【知事・市長】の権限とを手にしたのと同じで、そこにはさまざま方面から甘い汁を吸いに来る。
もしも相手側が操られる事を拒んで自立しようとすれば、お決まりの殺し文句「誰のおかげで当選できたと思っているんだ」が出る。
言われた方は次回の選挙のこともあるから、仕方なく黙って従う。
島根県のことは関係なく一般論として考えても、このような図式はあるんじゃないだろうか。
政界だけでなく、企業でも監査役などの本来は他から独立して権限を行使すべき役職がある。
そうした立場にある方ならご理解いただけると思うが、隙あらばたいていは外部から操ろうとする動きがあるものだ。
そして一度介入を許してしまうと、断ち切ることは難しくなる。
政界・司法・企業から、そうした"しがらみ"が消えれば、よほどクリーンで効率の良い動きができるのに…と考えさせられた一件だ。